イスタンブール歴史地区(前編)



  アジアとヨーロッパの接点イスタンブールは、トルコ最大の都市で約1600年間首都として
  機能していました。その歴史的建造物の多くはヨーロッパ側の旧市街に在ります。

  イスタンブールという町は、紀元前7世紀頃にギリシャ人達が築いた殖民都市です。
  町の名前は征服者の名前を付けて「ビザンティウム」としましたが、ローマ時代になると、
  330年5月11日にローマ皇帝コンスタンティヌス1世が、ローマよりここに都を移して
  「コンスタンティノーブル」と名前を変えます。

  395年にローマ帝国が東西に分裂すると、ここはギリシャ正教を奉じるビザンティン帝国の
  首都として交易で繁栄しましたが、海運国ヴェネツィアの台頭により衰退します。
  ミカエル8世が再興しますが、1453年にオスマン・トルコのメフメット2世により陥落し、
  「イスタンブール」と名前を変え、16世紀頃は交易で繁栄しました。ヨーロッパの台頭で
  衰退しますが、1923年にトルコ共和国が誕生するまで、オスマン・トルコの首都でした。

  イスタンブールの世界遺産は旧市街の宮殿や寺院などの建造物ですが、前編のここでは
  代表的な名所「ブルー・モスク」「アヤソフィア」「地下宮殿」の3ヶ所を取り上げています。
  この3ヶ所はとても狭い範囲に在りますので、見物するのには、歩いて半日も有れば
  充分で、とても効率的な所です。


 ブルー・モスクの全景。

 「スルタン・アフメット・ジャミイ」
 と言うのが正式名称で、17世紀初頭に
 アフメット1世が造らせました。
 ジャミイ(聖堂)の内部が21,000枚の
 ブルーのイズニック・タイルで
 飾られているので「ブルー・モスク」
 と愛称されています。

 6本のミナレットを持つモスクは
 世界でもここだけでしょう。




  ブルー・モスクの内部。

  ブルー・モスクのジャミィの内部
  ですが、窓が多くて意外と明るく、
  床には一面絨毯が敷かれていますが、
  エチオピアから贈られた物です。
  ここはとても涼しくて休んだり、
  昼寝に最適な所です (^^ゞ

  このドームの直径は23m、高さは
  43m有り、直径5mの4本の
  巨大な柱で支えられて、両側に在る
  半円形のドームによって重力を
  分散させています。




 アヤソフィア。

 アヤソフィアのドームは直径32m、
 高さ55mあり、世界で4番目に
 大きな教会と言われています。

 325年にコンスタンティヌス2世が
 ギリシャ正教の総本山として
 造らせたと言います。何回も破壊と
 再建を繰り返しましたが、537年に
 ユスティニアヌス帝により完成。
 オスマン・トルコの時代になると
 ミナレットを付け足して
 モスクとして使用しました。




  大ドームのマリア像。

  偶像崇拝を禁止するイスラム教はドームなどに
  描かれているモザイク画やフラスコ画を漆喰で
  塗りつぶしてしまいました。

  メーンのドームの東西に半円形のドームが
  付けられていますが、このキリストを抱いた
  マリア像はそこに描かれたものです。

  1931年にアメリカの調査隊によって壁の中の
  モザイク画が発見され、脚光を浴びました。
  翌年、初代大統領のアタテュルクの命により、
  ここを博物館とする事に成り一般公開しました。






  ドーム入口南回廊のマリア像。

  この絵は南回廊の入口付近の
  上部に描かれている絵ですが、
  マリヤとイエスに捧げものを
  している図です。この絵は
  とても保存状態の良いものです。

  このパターンの絵はこの建物の
  2階のギャラリーにも有りますが、
  時の皇帝が描かせています。
  この発想法は、莫高窟を造った
  王侯貴族達が、仏陀を供養している
  図と共通しています。





 地下宮殿のメドゥーサ。

 地下宮殿とは地下貯水池の事で、イスタンブールには
 戦争に備えて数ヶ所在りました。特にこの貯水池は
 大きく、長さ140m、幅が70mあり、28本ずつ12列、
 合計336本のコリント式円柱で支えられていました。
 しかし、19世紀の末に南西の壁を塗りつぶした際に、
 90本の柱が無くなっています。ここの貯水能力は
 8万立方メートルあると言われています。

 ここの水はイスタンブールの近郊に在る
 ベオグラードの森からヴァレンス水道を経由して
 引かれています。今でもここには綺麗な水が
 溜まっており、内部はひんやりしています。

 台座に使われているメドゥーサの首は1984年の
 大改修の時に泥の中から発見されました。建設当時
 部材として、他所から流用したのでしょう。





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