冬 の 撮 影       戻る

冬期間の撮影において、注意すべき点や対策を、私の経験において記述します。
山岳撮影等の極寒時に関するノウハウはございません。あくまで一般撮影に関する事項です。
<説明用の写真は、これから順次掲載予定>
・ ・
 
1.撮影前の準備


   電池は
低温時の放電容量が非常に少なくなります。特に乾電池は0℃以下では実用になりません
  「ストロボ」「小形デジカメ」など
「単三乾電池」仕様の機器は低温特性の良い充電式「ニッケル水素電池(Ni - MH 表示)
  がお勧めです。また最近話題のSANYOの「eneloop」は自己放電が少ないので、充電後長期間放置していても充分
  実用になります。使用頻度の少ないストロボなどの電池に最適と思います。

   最近の一眼レフ標準バッテリーは
低温特性の良い「リチュウムイオン( Li - ion 表示)」がほとんど使われています。
    それでも
極寒時は通常の1/2〜1/3程度(温度による変わる)しか持たないつもりで用意しましょう。
    特に古い電池は持ちが悪くなっています。

  
裏ワザ→ 寒いとき「電池切れ」になったら電池を取り出し、手で握って温めてやると瞬間的に5枚程度は撮影できます
         また、電池が常温になると、かなり回復します。 


  長時間、極寒場所で撮影する場合は次の点を実行しています。

  
電池は撮影前に外して暖めておく (カメラが冷えていると、電池を入れても直ぐ冷えてしまい、気休めですが・・・・) 
  
  ★
予備の電池は身に付けて常時保温しておくか、小型のバックに電池ホッカイロを一緒に入れて保温しておく
    
電池を裸のままカギなどの金属が入っているポケットに入れるのは、ショートの恐れがあり極めて危険です
  
  ★
車のシガレットライターから充電できる充電器を備えておくと便利です。また専用の12V充電器よりも、少容量
    「DC・ACインバーター」を購入した方がAC電源として共通に使えるので使い道が増えます。 
        ノートパソコンが使える程度のインバーターは電流も多く消費しますので、バッテリー上がりには充分注意が必要です。

  
私はカメラの側面に「ホッカイロ」を貼って使用しています。ただ「粘着剤がボディを傷める」のでカメラを大切に
     される方は、お止めになった方がいいでしょう。 カメラに貼った写真

    小形のホッカイロ2枚重ねて貼ると
ほぼ常温程度の撮影ができます。 一枚でも完璧に違います。
    (私の使っているキャノンEOSは電池位置がグリップの内側で貼りやすく効果が高い)
    この方法はメーカーや私が保障するものではございません。あくまで、ご自分の判断で行ってください。

   
電池をビニールなど通気の悪い袋に、ホッカイロと一緒に入れても酸素の供給がされないので全く温まりません。
    (布製は可)

 
2.撮影時の注意

  
降雪時の撮影ではレンズが「マイナス温度以下」まで冷えると、レンズに雪は付着しません
    しかし雪の付着防止に
レンズフード保護カバーなど、かけておいた方が安全です。
     丹頂撮影など三脚に固定して長時間の撮影は、雪が積もったり融けたり、レンズフード内に雪が巻き込んだり
    しますので、
全体を覆うカバーは必需品です。私は予備の防寒着またはマフラーを代用しています。
   特に
「防滴性」の弱いレンズ(キャノンでは L レンズ以外)は慎重に扱った方が良いと思います。

   
 時々レンズ前面への水滴付着の有無を確認しよう ← 結構失敗が多い。(水滴を拭き取る布は必ず携帯する)

  冷えたフィルター「シャツの胸ポケット」で保管すると、肌の蒸気で結露し、使うときに役に立ちません。

  
降雪時や吹雪の移動・撮影時には、レンズとボディを一緒に覆うゴム付きの「ビニールカバー」が着脱が早くでき
    便利です。 私は100円ショップの「自転車カゴ用防水カバー」を使用しています。
雪にカメラを落下して、これで何度
    か助かっています


  
温まったレンズやボディを冷えた車外に持ち出すのは特に問題ありません。( しかし降雪時は雪が付着する )
    不必要に車内の暖かい所に置くのは避けた方が良い。
    意外と
車のヒーター吹き出し温度は高いので異常に高温になる恐れあり(ヒーター設定にもよるが・・)。

  
三脚に「傘」を取り付けて使用するのは、突然の風で「機材転倒破損」の恐れがあるし、ご近所様に迷惑です。

  
その他、撮影前では あまり神経質になるようなことは ありません。

   
レンズ交換を手袋のまますると手袋・厚着のため落下もたつきで、ボディー内に雪の進入が心配です。

   
一番多い事故は、自身が滑って転倒し、持っているカメラを巻き添えにすることです。

   
「マスク」「目出し帽(目・鼻・口だけ開いた防寒キャップ)は、吐く息が鼻とマスクのすき間から、カメラのファイン
   ダーにかかって曇り、 極めて撮りにくいです。
   
(ファインダーの無い「液晶モニターで確認する小型デジカメ」は問題有りません)

    ★低温時のレンズ交換・メモリー交換・電池交換も、なんら問題ありません。

   冷えた状態のカメラ暖かい屋内に持ち込んでレンズ交換・フィルム交換・ズーミング絶対止めましょう。
    
カメラやレンズの内部が結露します。 「メモリ」や「電池」の交換程度は極端にもたつかなければ大丈夫でしょう。

   
車内から窓を開けて外を撮ると、車内暖気と車外冷気の対流でボケてしまいます。必ず車外に出て撮ることです。
                                                                                            ボケて写った(写真) 

   
 
3.撮影後の注意

  
外で冷えたレンズやカメラを、温もりが残る車内に持ち込むのは問題ありません。
     暖房の効いた車内でも乾燥しているためか、私は結露の経験は一度もありません。
   
 *ただ車内に数人居て「内気循環」で暖房していると人の息で車内水分が多くななっており、車内の窓ガラスが
    結露している時は
、絶対・完璧に結露します

  
問題は温度と湿度の高い屋内への持込です。必ず結露します。
    最近のホテルや旅館の暖房は集中暖房などで比較的湿度は高くありませんが、部屋でレンズの清掃や交換には
    細心の注意が必要です。
   
メガネが曇る場合は持ち込まない方が賢明です。昼食時など レストラン・食堂は湿度が高いので、冷えたカメラは
    絶対持ち込まないようにしましょう。
レンズ内部まで結露すると、なかなか取れません

  
屋内に持ち込んで直ぐのフィルムの脱着やレンズ交換、ズームレンズのズーミングをすると、湿気がボディーや
    レンズ内部に侵入・
結露し重大な故障の原因となります。

  
どうしても屋内に持ち込んでフィルム脱着やレンズ清掃が必要な場合は、数時間以上待って、レンズ・ボディが室温
     程度になってから
実施しましょう。
    
冷え切ったカメラ・レンズなど裸のまま湿度の高い部屋に持ち込んで、もたもたしていると内部まで結露します。
    温風吹き出しの近くに置いて、結露の促進を防ぎましょう。

    大型レンズは質量があるためなかなか温まりません。翌日の朝まで待って清掃するのが良いでしょう。   

  
換気の必要なガスストーブ・自立石油ストーブで暖房する室内は、暖房機から水分が発散されています。
     止めた方が絶対無難です。 これらの暖房器具は北海道の宿泊施設ではほとんど見かけなくなりました。

  
盗難の恐れなどで宿泊の部屋に持ち込みたいときは、あらかじめ車内の暖房で機材が温まってから持ち込み
     ましょう。私は
持ち込みたいカメラ・レンズ・パソコンなど電子機器は常に暖房の効いた車内に置いておき
     温まってから
持込んで います。

  
不覚にもレンズ内部まで結露した場、ドライヤーなどで局部的に温めても、レンズ内部の結露は、なかなか取れ
    ません
しカメラが傷みます。
     シリカゲルなどと一緒にビニール袋に入れて待つか、そのまま翌日まで待てば取れます。

 
4.その他、いろいろ

  
冬期間は積雪があるため、車の駐停車できる場所は極めて限られます。・交通量の多い道路・カーブ・坂の頂上
    付近・視界の悪いとき・狭い道などで停車することは非常に危険です。「良い風景が有っても
あきらめる決断です」

  
大型車は融雪剤(塩)の水しぶきをたくさん飛ばして通過します。カメラや衣服に飛び散ってかかると厄介です。

  
スノーシューで撮影のため雪原に入る時は、ササ・ハイマツなどの薄い雪の落とし穴に充分注意します。
   
ササや低潅木が露出している所は、必ず避けて通ります
    北海道の「クマイザサ・チシマザサ」群は1.5〜2.5mもの高さがあり、
一人で脱出することが困難な場合もあります

  
山の斜面は積雪状態の変化が多様で、思わぬ落とし穴や・雪崩の誘発・ごくまれにヒグマの冬眠穴に遭遇すること
    もあるようです。その場合「ヒグマは目を覚まし襲ってくる」と、過去の事故例の報告があります。

   
★雪が多く降った後に日が照ると、樹木に積もった雪が突然落下、また衝撃で枯れ枝が雪と共に落ちてきます。
   
新雪が晴れ間に舞う光景は美しいのですが、身体中に雪をかぶります。 <数度経験あり、ご注意ください>
                                        晴れ間に舞う光景(写真)

  
北海道の気象は瞬時に変化します(特に日本海側・知床など)。あまり熱中して奥まで入り込まないように、また上空
    の
雲の動きにも気を配る余裕が必要です。吹雪くと一寸先が見えなくなり、戻る道を見失います。荒れた予報で無い
        限り、止みます
ので むやみに歩き回らないで、自分の足跡を慎重にたどって、落ち着いて戻ります。

  ★安価で粗悪なスノーシューで奥に入り込むのも危険です。金具破損などで役目が果さなくなると、死ぬほど辛い帰途
        が待っています。 

以上、経験から述べましたが決して「危険だから止めましょう」ではございません。不慣れによる失敗を無くして、
積極的に雄大な北海道の自然を心行くまで楽しんでいただくよう、切に望んでおります。  
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追記 
防寒対策など  

    
寒さの感じ方や使い勝手には個人差があります。以下は参考にしていただいてご自分の対策を確立してください。

  
風があると体感温度はかなり低下します。予報温度が比較的高くても充分な防寒着を用意された方が良いです。

  
特に長時間、動かないで撮影する(丹頂撮影など)場合は、より充分な用意が必要です。

  ★首・耳が隠れると、かなり防寒になります。薄くても良いですのでマフラーが有ると、かなり使えます。

  
ぶ厚い防寒着や高価な防寒着より、インナー下着に良いものを使用した方が、活動的でもあり良いようです
    私の防寒上着は極めて安い三流品ですが-20℃の丹頂撮影でも、寒く感じた事はありません。

  
私は着脱を簡単にしたいので長靴を多用しています。
    靴下が汗や底面との温度差で湿気ると、熱伝導が良くなり、冷たく なってきます。靴底の敷物は厚手のものにします。
    着脱の面倒な登山靴と比べ長靴の方が軽快で動きやすいと感じています。
水辺の撮影は絶対長靴が勝ります

  
坂や氷面での撮影では、スパイク付きゴムのワンタッチ滑り止めを付けます。ゴムの薄いものは、踏ん張ると伸び
    て外れたり します。
ホテルやビルなどでは傷付くので禁止している所があります。(大理石の床は逆に滑ります
    
流氷・凍った水辺での撮影は絶対スパイク滑り止めが、良い位置の模索などに適しています

  
登山靴でスノーシュー(かんじき)を履くと、雪穴に落ち込んだ場合足が抜けなくなるので、長靴の方が良い・・・と、
    地元の山歩きの人の話もありますが、一長一短のようです。

  
手袋はスキー用などの厚物ではシャッターが押せません。待ちの時移動機材運搬撮影する時と使い分けが
       必要のようです。

  
動物撮影など待ち状態からチャンス時、即シャッター押す場合、手袋脱いで更に置く時間がロスします。指先の出る
        手袋をはめ、待ち時間はポケットで暖房しておき、チャンス時に即対応するのが良いようです。

  
寒いのでウイスキーなど飲んでる人が居りますが、まったく酔いません。しかし暖房の効いた部屋や車内に入ると
    その分、
一気に酔いが回ります。車運転される方は当然ですが絶対止めた方がいいです

  
★【参考】車や休憩場所から離れた、厳寒地での長時間撮影は「凍傷を避ける」本格的な防寒対策が必要です。
    顔の凍傷を避けるため顔全体を被って目と口の部分だけが開いている「目出し帽」を着用し、防寒着も本格的なもの
    更に靴は分厚い保温効果の大きい登山靴→靴がきついと凍傷になりやすい(やや大き目を選ぶ)。手袋は予備を
    必ず持参(紛失すると凍傷)等々、
撮影よりも自身の安全性を優先した防寒対策が必要です。

  
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外気温−18℃、車内温度25℃、この時点で窓を開けて撮ったら、車内暖気と車外冷気の対流でボケてしまった。
「ファインダー」をのぞいても、窓の開いた所を見ても明らかな空気の「ゆらぎ」が発生していた。ファンを止めても止まらなかった。

↓これも冷気・暖気の「ゆらぎ」でボケた写真です。矢印付けるまでも無く完全にボケている。

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小型のホッカイロを2枚重ねて貼っている。 これで−15℃以下でもかなり効果があります。 一枚では極寒時、効果が薄い。

青色のヒモは、リング状のヒモで、肩にかけると「ずり落ちる」ので、これでリュックの肩ベルトのフックに引っ掛けて携帯している。


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